昨日の菊花賞をキャリア4戦目の伏兵フィエールマンで制した
クリストフ・ルメール騎手が「才能があれば経験はいらない」
と、なんとも凄すぎて鳥肌が立つような名言を語っています。
世界の名手ランフランコ・デットーリ騎手なんかもそうですが
馬と語らい馬上から常人には不可視の風景を見つめてきた人の
言葉は奥深くて噛めば噛むほど味が出る含蓄に富んでいます。

フィエールマンの菊花賞は、3000mを走りながら最後の最後で
正味ラスト2ハロンの切れ味勝負!父ディープインパクト譲りの
末脚が生きる流れになったことも多いに味方したのでしょうが
母リュヌドールから流れる欧州血統の底力も見落とせません。
リュヌドールはフランスで長距離重賞を連勝して素質開花させ
イタリアに出向きリディアテシオ賞を勝った一流牝馬でした。

リディアテシオ賞は現在イタリアに残る唯一のG1レースです。
ご存じのようにこの国は、深刻な経済不況で競馬も精彩を欠き
賞金が大幅に減額され、重賞は格下げされ、ホースマンたちも
ミルコ・デムーロは日本で、実弟クリスチャンはフランスで、
ルーラーシップに唯一のG1を勝たせたウンベルト・リスポリは
香港へと、新たな活躍の場を求めて世界各地に散っています。
リュヌドールの息子の活躍が、イタリアのホースマンを大いに
元気づけ、イタリア競馬復興の力になれれば嬉しいのですが。

ルメール騎手は今年、アーモンドアイと牝馬三冠を完全制覇し
モズアスコットの安田記念を加え、G1年間5勝目になります。
武豊騎手が05年のディープインパクトの三冠などで、翌年にも
成熟ディープインパクトで天皇賞春、宝塚記念、ジャパンC、
有馬記念などで年間6勝を上げたのが、JRAにおける最高記録!
この不朽の金字塔に並べるか?今年の見どころの一つですね。
天才牝馬アーモンドアイはジャパンC出走で歴戦の強豪古馬と
初対決するそうですが「才能があれば経験はいらない」という
自分の言葉がルメール騎手の胸の奥に刻まれているはずです。