先週の秋華賞を皮切りにG1レースが12週間も連続する1年中で
もっとも華やかで夢のつまった待望の季節が幕を開けました。
この時期になると来春から種牡馬生活を始めるエリートたちの
多くが「最後の聖戦」に臨みます。彼らにとって競走馬生活の
有終の美を飾るラストランであり、自らの種牡馬価値を高める
キャンペーンともなります。一戦一戦の結果が種付け料設定に
反映され、お相手の牝馬の質にも関わってくる真剣勝負です。

これまでとくにジャパンCには、そういう馬がしばしば出走し
後の大種牡馬トニービンは直線で骨折して5着に敗れましたが
過去にゴールデンフェザント、ピルサドスキー、ファルブラヴ
アルカセットが勝利し、信じ難い高勝率を叩き出しています。
ファルブラヴのように現役を延長して、さらに実績を積み上げ
価値を増大させた馬もいますが、基本的に次のレースを考えず
ここ一本の全力投球が高勝率を生み出しているのでしょうか?
国際レースでは、脳裏の片隅にとどめておきたいデータです。
もちろん、日本のサイアー候補生にも目配りを怠れませんが。

今年は、チャンピオンズCに登録のマインドユアビスケッツが
そうした価値増大キャンペーンに、日米を股にかけ挑みます。
ド派手なドンジリ一気の強襲でドバイゴールデンシャヒーンを
連覇した一流スプリンター!追われてどこまでも伸びる末脚は
ダービー馬ワグネリアンの祖母ブロードアピールを彷彿とさせ
向こうで非常に人気の高い馬です。社台ファームに購買された
今夏から距離を延ばしてマイルのメトロポリタンH、9ハロンの
ホイットニーSで2着と新境地開拓に成功しました。社台さんも
随分と思い切った冒険にチャレンジするものです!その目標は
ダート界の最高峰に聳えるBCクラシック制覇にあるようです。
順調なら日本ファンにはチャンピオンズCで鬼脚をお披露目!
来春から社台SSで繋養され、種牡馬生活をスタートさせますが
このチャレンジに成功すれば彼の種牡馬価値は青天井になる?

怪物クロフネや桜花賞馬レジネッタを出した元祖二刀流血統の
デピュティミニスター系の血を引き、サンデーサイレス系など
日本に定着した優良牝系との高い親和性を期待されています。
とくにディープインパクトとの相性は抜群の血筋で、これまで
母父としてダービー馬マカヒキ、JC馬のショウナンパンドラ、
サングレーザー、ステファノスなど一流馬を輩出しています。
今後も年を追って大量に増殖していくディープインパクトなど
SS系の優秀な牝馬の将来的な交配相手を考えれば、クロフネが
今年20歳と高齢なこともあり、後継マインドユアビスケッツの
野望を秘めた「最後の聖戦」に身の引き締まる思いの秋です。