今年の天皇賞秋は、三世代ダービー馬のマカヒキ、レイデオロ
ワグネリアンが揃って出走を表明、レイティング日本トップの
スワーヴリチャードや勢いの良さではナンバーワンの上がり馬
サングレーザーまで史上空前の豪華キャストが顔を揃えます。
オールカマーを快勝したレイデオロを除けば、それら有力勢の
ほとんどが天皇賞秋を始動戦として、ジャパンC、有馬記念と
秋は三走、いわゆる「古馬三冠」路線を歩むことになります。

毎日王冠と言えば、天皇賞秋とセットで考えられて来ましたが
最近では有力馬ほど縁が薄くなっていく傾向が出て来ました。
今世紀に入り、それまで天皇賞から排除されていた外国産馬の
出走が認められるようになり、「古馬三冠」のすべてに勝てば
褒賞金1億円(現在は2億円)が贈られるようになると三冠前の
一叩きは馬にとって負担が大き過ぎる、と考える風潮が広まり
毎日王冠や京都大賞典などをスルーする傾向が見え始めます。

03年シンボリクリスエスが、その新世紀ローテーション確立の
先駆者だったでしょうか。藤沢和雄師はバブルガムフェローで
初の3歳馬による天皇賞制覇を実現したり、この大一番に対して
独自の思想と愛着をお持ちの先生です。時代の流れに適応した
ローテーションを発明させたら天下一品です。こうした時流の
変化を受けて昨年の天皇賞馬キタサンブラックは宝塚記念から
直行で、史上初の天覧天皇賞を制覇したヘヴンリーロマンスや
一昨年のモーリスのように札幌記念からと、秋初戦を天皇賞に
定める馬が増えてきました。これも時代の流れなのでしょう。

しかし毎日王冠の価値が下がったと言うことでは決してなくて
位置付けや個性が、独自の変化を遂げて来たのだと思います。
チャンピオンディスタンスとして、世界的に価値を増している
2000m路線に情熱を燃やす馬主・調教師は少なくありません。
最近はエイシンフラッシュ、ジャスタウェイ、スピルバーグが
3年連続して毎日王冠経由でエンペラー(皇帝)Cの伝統を継ぐ
本番の栄光を戴冠しています。伝統の大一番だけに照準を絞り
毎日王冠を跳躍台に選ぶか、「古馬三冠」戦を戦い抜くことで
真の王者であることを証明するか、それだけの違いでしょう。

毎日王冠の出走馬はけっこう多様で、ここから天皇賞を挟んで
マイルチャンピオンシップまで疾風怒濤の三連勝を成し遂げた
ダイワメジャーやカンパニーなどマイラー寄りの馬もいます。
05年のスイープトウショウはエリザベス女王杯をターゲットに
秋初戦に毎日王冠を選択しています。今年の毎日王冠出走馬は
どんな野望を秘めて大舞台に臨もうとしているのでしょうか?